ぶきっちょ? に見る doing とbeing

15日付朝日新聞be betweenで、タイトル「あなたはぶきっちょですか?」の面白い企画がありました。1658人のアンケート結果を記事にしたものです。

「あなたはぶきっちょですか?」の質問に「はい」と回答した人62%、「いいえ」と回答した人38%。「はい」と回答した人の理由トップ3は、「世渡りが下手」「自己アピールが苦手」「人前で話すのが苦手」、一方で「いいえ」と回答した人の理由トップ3は、「てきぱきと作業をこなせる」「考え方に柔軟性がある」「物事を同時に進められる」でした。

ぶきっちょではない人は、さっそうとしたdoing 中心の人物像。ぶきっちょな人は、お人よしなbeing タイプという感じでしょうか。そして次の質問、ぶきっちょさんは「愛せる存在?」「困った存在?」に「愛せる存在」と回答した人は57%でした。

アンケート結果の横には、ぶきっちょさんアンケートについて、日本人らしい謙遜でぶきっちょさんが62%と半数を超えたのではないか?本音ではぶきっちょさんを「困った存在」と思っている人はもっと多いのではないか?日本の文化的規範が働いてあらさがしをせず長所を積極的に認めるべきという寛大効果がバイアスとなっているのでは、と心理カウンセラーのコメントが添えられていました。人手不足、高齢化、格差社会の世の中、ぶきっちょさんを抱えていくのは、本当は手にあまるけれど、建前ではそうも言えない、ということなのでしょうか。アンケート結果の読み取りの複雑さに、ちょっとため息がでます。

ところで、この記事は、beの連載漫画「部きっ長さんのぶきっちょだけどやってみた」との連携企画でした。この漫画、一度も読んだことがなかったので、さっそくめくって見たところ、この日は「残業の巻」というお題でした。まず塩川さんという女性社員の帰りがけに、部きっ長さんが書類の整理を頼みにきます。塩川さんは、えっ??と一瞬ひるみますが、デート予定?の彼に「残業」と電話で知らせてから、ババババ!!と一挙に書類を片づけました。ところが終わったころに、またもや部きっ長さんが、書類を持ってきます。塩川さんは、ダダダダダ!とさらなる速さで片付けてしまいます。ーこの勢い、かなりスゴイ!!!ー そして、塩川さんは、ようやく仕事から解放されて、彼の待つレストランに。

漫画のオチですが、塩川さん、「遅くなってしまったので、急いで食べましょうか」とズババババ!!!と虚をつかれる彼を前に、物も言わずに狂ったように一挙に食べてしまいます。そんな塩川さんに言葉を失う彼…。

ぶきっちょさんの存在の隣には、それを支える塩川さんがいるのですよね。塩川さんは、doingタイプ。でも、塩川さんに頼りすぎると、塩川さんが狂ってしまいます。職業柄、塩川さんの行動に看護師の影をみて、もんもんとする思いになりました。とりとめもないですが。