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精神保健看護1 薬のはなし

薬の内服を勧めるー勧められる という関係は、看護師と患者の間では切っても切れない関係のひとつです。ところが、しばしば報じられているように、抗精神病薬の副作用の問題は減少することなく、患者さんの多くが困っています。のどが渇く、ふらふらする、便秘がちになる、ろれつがまわらない、などなどたくさんあります。

数年前には抗うつ剤の新薬登場と同時にうつ病患者が増加しているという興味あるデータが公表され、市場原理がいかに診断や処方に影響しているかについても明らかになってきました。日本では諸外国に比し多剤併用が多いことへの危惧がなされています。

一方で、入院患者さんが眠れないとおっしゃる時に、ちょっとお話したり、お茶の一杯でも飲むと、その後、追加の睡眠薬を飲まなくても眠れることがよくあるという事実は、多くの医療者が体験していることです。また、患者さんのなかには、この嫌な薬を飲むと眠くなるけれど、自分はこんな薬になんか負けない!と力を入れる方もおられ、そうすると薬物療法の効果は芳しくなくなります。精神力というものはすごいものです。このように薬が必要かどうかや、薬が効く効かないには、勧める側と勧められる側の関係が大きく関係しているのです。

こうした関係、とくに薬物療法と医師-患者関係を取り上げている著書もあります1)。そこには、治療関係は「基本的にケアを保持するものである。すなわちこの関係は、患者の体温、血圧、心拍数と同じように、目を離さず継続的に監視されなければならない。実際、処方する医師と患者との治療の絆は服薬維持や継続管理のような薬物療法でのはっきりと目に見えるところに影響を与えることができるp.39」とされています。

信頼関係は医療者、患者の両方でつくるものです。オープンな関係や歩み寄りの努力が、効果的な薬物療法をつくると言える側面もあるようです。

引用・参考文献

1)アラン・タスマン マイケル・リーバ ケネス・R・シルク(2000)江畑敬介 佐藤洋子訳(2004)薬物    療法における医師ー患者関係  星和書店