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看護教育7 専門職業大学と、看護師・介護士・保育士 養成課程共通化と

実践的職業教育について、このブログで取り上げてから、1年以上経ちましたが、

http://blog.hatena.ne.jp/keikonsakaki/keikonsakaki.hatenablog.com/edit?entry=8454420450089087984

最近、さらなる動きが起こってきています。

3月の、文科省有識者会議からの、専門職業大学たる、教育課程の優れた専門学校からの移行を想定とし、修業年限2~4年で学位を授与する大学の類型を設ける旨の報告を受け1)、中央教育審議会が、職業教育に特化した新しい種類の大学をつくるよう、5月に文部科学相に答申しました2)。もちろん国の助成対象ともなる大学です。文科省は、2019年の開学を目指し、通常国会で学校教育法改正案を提出する考えだそうです。

並行して、厚労省から、看護師、介護福祉士、保育士などの医療・福祉系人材養成課程の一部を共通化する方針が固められています3)。こちらは、2021年頃の移行を目指しています。「基礎課程」の共通化によって、職業の選択肢を広げ、基礎課程修了後に資格ごとの専門課程を経て国家資格を取得する仕組みへの改変です。

福祉職は賃金が低く、人材不足が続いているものの、例えば介護職から看護師に転職する場合、現行の課程では、新たに3年制の看護師の課程に入学する必要があるため、こうした複雑さを回避するメリットがあるとも言うのです。「ニッポン1億総活躍プラン」とも関連づけられています。

2030年には医療・福祉系人材がさらに200万人必要とされると言われていますが、看護師については2008年から始まったEAP(経済連携協定)が進められてきたものの、アジアからの看護職の日本の看護師国家試験合格率が低く、人材交流は進まないままです。こうした状況下で、何とか国内で人材確保をというあがきのようにも感じます。

看護教育には、大学も短大も専門学校でも、厚労省保健師助産師、看護師学校養成所指定規則のしばりがあるために、こうした基礎課程の共通化は、専門職業大学指向と並行して、看護大学教育にも影響して来るのではないかと推測されます。

さてはて、看護教育の質の行く末はどこに向かうのでしょうか。病む、痛みと対峙しておられる人間に直接触れる、そして、科学技術の発展との接点で、さまざまな倫理的な場面で判断する必要のある職業に、即活用できる、職業につながりやすい知識とスキルの教育で対応しようとしているのですから…。成功したかのような錯覚に陥り、大切なものを捨ててしまい、将来性を閉ざしてしまうようなことがないといいなあと、祈る思いです。卒後の、即戦力としての問題解決力にとどまらず、幅広く深い思考力を培うのが大学であるけれど、その効果は卒業時に即、測定できるものではないという共通認識は、どこに行ってしまったのでしょう。

 

参考

1)文科省有識者会議、「専門職の大学」新設提言 :日本経済新聞

2)専門職業大学創設を答申 文科省、3年後の開学目指す:朝日新聞デジタル

3)看護師・介護福祉士・保育士… 養成課程を一部共通化へ:朝日新聞デジタル