空気を読む

 

Be掲載の部きっ長さんには、いつも笑わされていますが、この土曜日のは、「空気を読む」の巻、面白そうとさっそく読み進めると、新商品のチョコを選定する会議の成り行きでした。

マイペースに自分の持論を素直にアピールする部きっ長さん。自分の意見ではなく、社長の一言一言に揺られ合わせて「調子よく」意見を二転三転させる本部長と常務。流れは本部長と常務に優勢かのようで、権威ある社長に二人が依存するグループが前に出てきて展開し、新商品のチョコの調合の選定という会議の主目的に各社員が忠実に向き合う流れからどんどん外れていきます。

途中、器用に合わせようとしない部きっ長さんがグループから外されて行き心配になりましたが・・・最後の落ち。社長が部きっ長さんの意見は自分の娘と同じ意見だと本部長と常務のすり寄りを翻し、部きっ長さんの意見が取り上げられたのでした。あとの二人は・・・実は部きっ長さんの選んだチョコもありだと思っていたと、社長にさらにすり寄りますが既に遅し。

社長はどのような思惑でこの会議を進めたのでしょうか。チョコを選定する目的と社員の向き合い方と両方を見ていたのでしょうか。

所属グループの空気を読むことにますます重きが置かれ、自分の意見が異なっていても、それは押し込めて、空気の主流派に合わせることが必要とされているような圧力を感じることも多々あり、そういう時には息苦しく感じます。そんな中、部きっ長さんに、愛嬌と親しみを感じました。

  

(部きっ長さん)11月18日:朝日新聞デジタル

ニーゼと光のアトリエ

 年末年始に観に行きましたが、精神科治療やケアについて、多くの示唆を与えている映画でとてもよかったです。短期間ですが再上映されますので、お時間の合う皆様はぜひ足をお運びください。

 

CINEMA Chupki TABATA

11月16日(木)〜30日(木)

 

 


11月16日(木)〜30日(木)『ニーゼと光のアトリエ』 | CINEMA Chupki TABATA

ネット上に訴える若者を救う

座間市のアパートで9人の遺体が見つかった事件に衝撃が走っています。一体、どんな動機があったのでしょう。白石容疑者とはどんな背景をもった人なのでしょう。遺体を冷蔵庫に保管していたなど、行動の異様さにも戦慄がはしっています。

被害者の多くがSNSを通じて容疑者とつながったという、この事件の裏に存在する若者の自殺願望を取り上げた記事1)を読んで、いっそう心が痛みました。自殺を防ぐ無料相談ネットのNPO法人OVAの代表理事精神保健福祉士の、伊藤次郎氏および、NPO法人東京自殺防止センター相談員で理事の村明子氏へのインタビュー記事でした。

自治体による自殺防止の相談窓口としては電話での対応が主流で、メールやSNSを活用している例は少ないそうです。一方、若者のコミュニケーションツールの主流はネットであるため、十分対応ができていないというのです。実際、長野県教育委員会がこの9月にLINEで中高生の悩み相談を行ったところ、2週間で547件の相談が寄せられたのですが、これは2016年の1年間で電話などで寄せられた相談件数259件の2倍以上だったそうです。伊藤氏は、ネットの世界での支援のみでは効果が少ないので、行政窓口や病院、実家などリアルな世界へとつなげていくことが重要だと述べていました。また、村氏は、電話相談へのハードルは高いが、つらい気持ちを口にすることで生きていていいんだと気づく人もいる、と述べています。

日本の若者の自殺者数は第二次世界大戦後に一つのピークがあり、それを超えることは無いのですが、現在、国内の15歳~34歳の死因の一位は自殺であり、先進国では日本だけの傾向です。2017年度版自殺対策白書では「国際的に見ても深刻」と指摘されているようです。

若者の心には、その国のあり様や将来展望や希望や絶望が反映されているように思います。閉塞感が強く行き場の無い居場所の無い社会になってきているのでしょうか。若い世代の人たちが、辛い思いを自分に向けてしまわずに、社会関係のなかで、辛さを起こしている問題について共に考えていける社会、地域作りを行っていけたらいいと思います。

 

自殺防止団体連絡先

NPO法人東京自殺防止センター http://www.befrienders-jpn.org/

                03 (5286)9090

                 (午後8時~翌朝6時、火曜のみ午後5時~)

NPO法人OVA http://ova-japan.org/ 

 

1)  朝日新聞朝刊 2017/11/05

 

 

 

 

 

 

毎日が面白いかどうか

古い本を整理していたら、「海馬 脳は疲れない」という池谷裕二氏、糸井重里氏の対談を編集した単行本が出てきました。この本は文庫になったと記憶しているので、随分古いはずと思ったら、2002年となっていました。15年前かあ。

ぱらぱらめくってみましたら、結構面白く、読みだしてしまいました。ずっとブームだった「海馬」を中心に、脳機能について、日常の私たちの行動に照らし合わせながら解説しているのです。海馬は記憶の製造工場ですが、その記憶の仕方の特色は可塑性なのだそうです。可塑性とは、粘土が形作られるそれです。もしボールのような弾性であったら、それは記憶として形作られない、粘土のように押したりすると変形として残っていくので記憶になるのです。トラウマなども、このように形作られますが、粘土と同じように、その傷は無くなることはなく、しかし、人間は傷を抱えながらも、他にもさまざまな可塑性による記憶を豊富に作るので、それがレジリエンスとして機能するようです。そして、可塑性は動物のなかでも、人間の脳に最も多く与えられているそうです。人間らしいゆえんを作っているのです。

脳はいつも刺激を求めています。閉鎖空間に閉じ込められた際に、幻覚や妄想が出てくるのも、脳が刺激を要求するためだと説明されていて目を引きました。いつも面白いことを探しているのが脳。そして、面白い刺激を繰り返し繰り返し求めるようになる果てに、天才が現れるそうです。

確かに、面白いことならば、他のあれこれはさておき、続けたくなるものです。続ければ、海馬は増え続け新たな記憶が作られます。よく、年だから忘れっぽくなったと言いますが、年を取っても脳を使えば海馬は増え続けるので、年は関係なく、日頃の好奇心とか関心を持てる何かとのつながりを絶やさないことが大事なのでしょう。

神経細胞はどんどんネットワークを作っていきます。それも30歳、40歳を超えた方が活発に脳が動くようになるそうです。脳を活発に動かすには、やる気が必要でしょうが、逆に、やる気は何かをやりはじめることによって出てくるものだそうです。まず先に、行動ということです。

環境に埋没し身動きが取れないという、あきらめから脱する一歩を踏み出すことそのものが脳を活性化するのです。さらには、こうして、日々一歩を踏み出し続けるということが、生きるということなのでしょう。一歩を踏み出すやる気を引き出すには、達成可能な目標とか、海馬とつながりが深く、感情をつかさどる篇桃体への刺激。後者には、ちょっとした生命危機である、お腹を空かせるとか部屋を寒くするとかいった方法があるそうです。

思考が停止気味の私は、ああ踏み出す努力が足りなかったかとちょっと思ってしまいましたが、この本と出会ったのは適時だったようです。

精神看護学会

松江で開催された学会に参加してきました。臨床的な研究報告が多く、精神看護の現場の困難や看護師のチャレンジがありありと報告され、刺激を受けてきました。

 

今回は同行参加したのですが、帰る前に出雲大社まで足を伸ばす計画を立ててくださり、羽屋という老舗で割りこそばも頂き、堪能。何より素晴らしい好天に恵まれ気持ちよく過ごしました。



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出雲大社はもちろん素晴らしかったですが、こちら松江駅に隣接したデパートで発見。昇運童子。
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そして、追い風童子。ふ~っと背中を押してくれるのだそうです。
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ユーモア一杯の街なんですね!!

 

 

彼岸花

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家の土地のさら地になった所に、草がはえ、しばしば抜く必要があって大変なのですが、彼岸花の根が残っているみたいで、ぴったりお彼岸に赤い花をつけ、目を引いて、季節を知らせてくれています。

ポッポッと咲いていて、かわいらしいです。